リオオリンピックの閉会式が行われた22日(日本時間)、強烈な台風9号が首都圏を襲った。2020年の東京オリンピック・パラリンピックが開かれる7~9月は、まさにこの台風の上陸シーズン。従来、暑さ対策については必要性は指摘されてきたが、台風にはどう備えるのだろうか?―東京新聞がこのほど伝えた。
閉会式の終了後、台風襲来のニュースを知った小池百合子知事は「東京オリンピックのの時の天気が心配になります」と話した。
東京オリンピックの日程は7月24日~8月9日、パラリンピックが8月25日~9月6日となっている。気象庁によると、2015年までの60年間に台風が北海道から九州の間に上陸した回数は170回。そのうち144回が7月から9月に上陸しており、全体の85%を占めた。
オリンピック・パラリンピック競技の実施は、各国際競技団体が決める。日本国内の競技団体は「現在具体的な中止基準はない」と答えている。
東京湾の埋め立て地会場で行われる予定のボート競技では、日本ボート協会の担当者が「中止の具体的な基準はなく、主催者が総合的に判断することになる」と話す。
またメインスタジアムの新国立競技場では、当初、フィールドや走路の上にも屋根をかぶせる予定だったが、現在の設計では屋根は観客席しかカバーしていない。
大会組織委員会の広報担当者によると、台風対策はまだ確定していないとのこと。国際オリンピック委員会に提出した文書には、地震や津波への対応に関する記載はあったが、台風に関する記載はなかったと話す。
2019年には東京でラグビーワールドカップが開かれる予定だが、東京都は2018年までに対応マニュアルを作成し、大会を成功に導きたいとしている。
実際、1964年10月の東京オリンピックでも台風は心配されていた。当初開催月は、5~6月、7~8月、10月の3日程が検討されていた。しかし5~6月は欧米の学生選手の学業への悪影響が心配され、7~8月も東京の暑さから見送られ、結局、消去法の形で10月となったとされる。
スポーツジャーナリストの二宮清純氏は「台風や猛暑といった天候への対応が、大会成功のカギを握る」と指摘する。また台風が上陸すれば交通機関が混乱し、観戦者にも悪影響を与える。その際に望まれるのは、より詳しい情報を多言語でスピーディーに提供することだ、と語る。
さらに、東京オリンピックでは野球やソフトボール、サーフィンなども注目されているが、これらは天候の影響を受けやすい。「日程の変更は難しいが、最悪の状況を想定して準備を進めてほしい」と話す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月25日