電話:0531-82626555
中文|English|한국어
ホーム山東文教正文

現代書家・井上有一の生誕百年展、紫禁城太廟芸術館で開幕

2016/12/23 9:01:12   source:中国国際放送局

  日本の現代書家?井上有一(1916-1985)の生誕百年記念展(以下「百年展」)ならびに中国人アーティスト13人による「井上有一と対話する芸術展」(以下「対話展)が21日、故宮東の紫禁城太廟芸術館で開幕しました。

  「書の解放」と題する「百年展」には井上有一氏の一字書、言葉書といった代表作30点が展示されており、一方の「対話展」は井上有一氏の書の影響を強く受けたアーティストが、井上氏に捧げるオマージュとして企画。13人の中国人書家、陶芸家の作品30点余りが陳列されています。

  開幕式には、美術批評家の海上雅臣氏が美術愛好家団体「六月の風会」のメンバー15人と共に日本から駆けつけてくれました。

  海上氏は席上、「1200年前に弘法大師?空海が唐に渡り、王羲之、顔真卿の書を身につけて帰国、日本で書の道を開いた。1200年後、唐から学び日本で普及した書を元に、井上有一が今日の欧米美術界に影響を与える現代美術としての書の魅力を作り上げた。漢字が日本に伝わった後、1200年にわたって日本の中で練り上げられた書の力が、有一を世界における現代美術の代表的な作家にしている。有一は31年前に亡くなっているが、ここに彼の霊も来て、一緒に『ありがとう。楽しんでもらいましょう』と言っていると思う」と熱意のこもった挨拶をしました。

  「対話展」に出品した中国人作家の代表たちも続けて発言し、井上有一氏の作品に寄せた思いを語りました。主催元の一つである浙江三尚当代美術館の張健館長は「17歳の時に井上有一氏の作品に出会って一目ぼれし、現在になってもその思いが消え失せることはなかった。命を削って書き上げられた作品ばかりで、その印象は忘れられない」と話しました。

  作家の王健氏は、「故宮のすぐ隣にあるこの会場で展覧会を開くということは、中国のアーティストによる井上氏への敬意の表れである。井上氏のアートは、オリエンタルな要素と、ビジュアルを強調する欧州のモダニズムを一つに融合しており、欧州や中国にも大きな影響を及ぼしている」と述べた上で、「中国では井上氏を称える声が多い。一方で、井上氏が伝統的な書をどのようにしてモダニズムへと導いてきたのか、このことに対する研究がまだ物足りないように思う」と今後の課題も指摘しました。

  井上有一氏の書や作品をいち早く中国に紹介した翻訳家の李建華氏によりますと、中国における井上有一の紹介は1992年の『井上有一?顔氏家廟臨書』(李建華、楊晶訳、学林出版社)に始まり、これまでに関連書籍4冊が翻訳出版されています。また、井上有一の記念回顧展も1995年に天津で1回目が開かれたのを皮切りに、これまでに鄭州、北京、杭州、広州、寧波、西安などで合わせて10回あまり開催されてきました。

  なお、今回の「百年展」と「対話覧」は2016年12月30日まで、紫禁城太廟芸術館の東西配殿(労働人民文化宮)で開催されています。

  ■井上有一生誕百年記念展の会場から

  ■井上有一と対話する芸術展から

  (取材:王小燕)

  中国国際放送局

関連記事を

写真

辭書:
主管者:山東省人民政府新聞弁公室