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中国、経営不振に陥る老舗企業 いかに「ゾンビ化」から脱出?

2016/10/20 11:36:19   source:人民網日本語版

  熾烈な競争が繰り広げられている今の市場で、いかに問題を克服して輝きを取り戻すかが、全ての老舗企業の共通の課題となっている。

  生き残りが難しい老舗企業

  稻香村、東阿阿膠、全聚徳、同仁堂……。これら老舗企業は、中国では誰でも知っており、文化とも言えるものを築いてきた。しかし、時代遅れの体制であることや市場の需要にマッチしていないこと、後継者不足などの問題が重なり、その発展状況は思わしくない。

  現在、中国商務部(省)が老舗ブランドと認定する「中華老字号」の称号を得ている企業が中国に1128社あり、うち73社が上場企業だ。これら老舗企業のうち、同仁堂や東阿阿膠、稻香村など、成長を続けているのはわずか20-30%。ほとんどの老舗企業が経営不振となっている。さらに、名前が存在するだけで、商品販売が止まっている「ゾンビ」のような状態の老舗企業も少なくない。

  一方、海外の老舗企業の多くは、他の大企業とタッグを組んだり、商品のイノベーションをしたりするなどして、世界で知られるブランドへと成長している。長年連続で発表されている世界で最も価値のあるブランドトップ100の半数以上は、欧米と日本のブランドで、その多くが老舗企業だ。

  4つの問題克服が課題

  21世紀に入り、1651年に創業した刃物メーカー・王麻子剪刀が経営困難に陥り、巨額の負債を抱えて、傘下の工場閉鎖を余儀なくされた。必要に応じて改革を進めることができなかった国有企業の同社は、現代にマッチした企業制度を構築できず、成長がストップしてしまった。

  実際には、王麻子の問題は、多くの老舗企業が抱えているものと同じで、経営不振の老舗企業には一定の共通点がある。

  中華老字号振興計画専門家委員会の主任委員を務める尹傑氏は、「現在、中国の老舗企業は▽体制と観念が時代遅れで、改革・イノベーションの妨げとなっている▽商品や技術が時代遅れで、企業価値が向上しない▽資金不足、人材の流失が原因で、発展の原動力が低下している▽現代ブランドの意識が薄く、ブランドのメリットを発揮できていない、といった4つの大きな問題を抱えている」と指摘している。

  工業化時代である今、持ち味、大量生産、品質保証の3つの面で、いかにバランスを取るかが、老舗企業に共通の課題となっている。

  尹氏は、「現在、多くの老舗企業が古いしきたりに従っており、ほとんどの老舗企業が現代的な企業制度を構築できていない。そのため、イノベーションして発展する原動力に欠けている。また、多様化や個性化などの市場のニーズに対応しているものの、工場での手作業で生産しているため、科学技術の要素や科学的な基準をそこに盛り込めず、生産効率が悪く、生産規模を拡大できないという老舗企業もある」とし、「その他、資金問題やブランド意識も老舗企業の発展を阻んでいる要素」と指摘している。

  イノベーションがカギ

  今後、老舗企業はどのように束縛を解けば、羽ばたく蝶のように発展できるのだろう?

  専門家は、商品、人材育成、株式の導入などの面でのイノベーションが、老舗企業再建のカギになるとの見方を示している。

  著名な経済学者である、北京大学光華管理学院の厲以寧・名誉院長は、「老舗企業がしなければならないのは考え方を変えること。老舗企業が生き残るには、新商品を打ち出さなければならない。既存の商品に新たな機能を加えてもいい。これが市場を切り開く道。考え方を変えることはとても大切で、中国国内の消費市場は飽和状態だと勘違いしてはいけない。市場が飽和状態になることは永遠にない」と指摘している。

  どのように、活気の出るメカニズムを構築し、投資者や株主の要求に応えればよいのだろう?また、消費者のニーズや将来のニーズの変化にどのように対応すればよいのだろう?中国茶葉股フン有限公司(フンはにんべんに分)の王震会長は、「老舗企業を継承する過程で、勇気を持って体制や思想のイノベーションを行い、やる気を起こさせる新しいメカニズムを通して、製品、ルート、マーケティング、研究開発のイノベーションを実現しなければならない」とアドバイスしている。

  中国証券基金業協会の賈紅波・秘書長は、「借金をして資金を調達することが習慣になっている老舗企業がある。株式発行による資金調達を重視、理解せず、それに偏見をもっている場合もある。老舗企業は、私募ファンドに対する見方を変えなければならない」との見方を示す。私募ファンドが老舗企業の経営に参入すると、老舗企業の投資コストが削減でき、資金調達が容易になるだけでなく、各種資源を提供してもらうこともでき、利益共同体の形成につながる。

  全聚德の■穎(■は刑のへんにおおざと)会長は、「中国の老舗企業は、世界に進出し、溶け込まなければならない。また、企業が実際に制定している世界戦略に基づき、『待つ、頼る、もらう』という考え方を変える必要がある。さらに、インターネットを活用して、老舗企業の文化的要素を掘り起こすことを考え、知名度や忠誠度などの面で顧客を取り戻さなければならない」と指摘している。

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