宅配数量10億件超
このほど公開された資料で、中国の2016年の社会物流総量が230兆元に達していたことがわかった。社会物流総費用は11兆元だった。1日平均の宅配便の数は1億件に近づき、数年連続で世界一の宅配大国となっている。
しかし馬雲(アリババ会長)の予測によると、2025年までに1日平均の宅配数は10億件に達し、年間では3650億件に上るという。
銀泰商業インタイム・リテールの陳暁東CEOは、1年に1000億件を超える宅配の裏には内外部の物流の更なる効率化が必要と指摘する。従来の実店舗の売り場では、商品管理はツリー型で、同移動の占める割合が極めて大きかった。スマート物流システムでこうしたデータマッチングを解決することは、商品の内部物流がさらに効率化することを意味している。
中国物流購買連合会の何黎明会長は、2025年にスマート物流規模が1兆元を超えると予測する。スマート物流に対するニーズには物流データ、物流クラウド、物流サービス、物流技術の4大分野がある。2016年の同4大分野の市場規模は2000億元を突破した。
「いままで物流は従来産業だと思っていた。しかしスマート物流を見ると、物流はハイテク産業であり、時代産業である」馬雲は今後の物流会社は技術会社であるとの見方を示す。新技術が誕生させた新物流企業が、世界のどのような小企業の通貨権を保証できることを期待しているという。物流企業は真の実体企業であり「物流業界がなければ、多くの物は幻想に変わる」と話す。
また人材管理に関して馬雲は「物流企業は技術・管理・文化方面の人材に高い関心を持つ必要がある」と指摘。同企業トップに求められるのは組織・技術・人材・イノベーションであり、それがなければ自社の社員に責任を負えないとしている。
スマート物流に必要な共有データ
スマート物流は宅配数量が急増していく過程で、重要な役割を発揮している。百世集団の周韶宁董事長は「5、6年前は『ダブル11』の際、毎日数十万の荷物を目の前にして、自ら3日間、現場のラインで監督を行ったものだ。しかし最近は状況が一変。1日数千万の荷物が通っても前線に立つ必要がなくなった」と話す。
数十万から数千への増加は、100倍である。しかし業務の流れは基本的には変わらない。スマート物流が効率アップの面で重要な効果を果たしているためだ。今後の物流企業はまずますスマート物流への転換を迫られることになる。
アリババ研究院は、スマート物流の特徴として、協同共有権限付与、ビッグデータ駆動、サプライチェーン整理、自動化3.0を挙げている。2013年に設立されたアリババの物流子会社であるCainiaoは、社会化された共同インフラとして、ビッグデータとスマート化を背景にスマート物流の推進役となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年5月26日