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変化する日本の介護施設 ニーズに合わせて多様化するケアサービス

2017/7/25 9:58:21   source:人民網日本語版

  最近、東京品川区の平塚橋特別養護老人ホームを取材した際、ちょうど誕生日パーティーをしているところだった。高齢者約50人が介護士と一緒に、ある高齢の女性にバースデーソングを歌ってあげていた。それらの高齢者は皆この老人ホームの会員だ。人民日報が報じた。

  平塚橋老人ホームは昨年オープンした総合老人福祉施設で、品川区が出資して建設され、社会福祉法人・三徳会が経営している「公建民営」だ。老人福祉施設を経営して35年になる三徳会の内野滋雄理事長は取材に対して、「日本では高齢化が進んでおり、従来の住宅型の老人ホームはコストが高いだけでなく、日に日に多様化する老人福祉の需要を満たすこともできない。厚生労働省は、おおむね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏を単位として想定し、地域包括ケアシステムを構築することを目指している。住宅型のケアサービスのほか、在宅サービスやデイサービス、日常生活の支援といった、ケアサービスを提供している。日常生活支援には日常の診察や24時間の呼び出しシステム、食事の準備、買い物などが含まれている」と説明した。

  高齢者のケアに関する問題を長年研究している日本中央大学経済研究所の客員研究員の陳茗氏によると、「地域包括ケアシステムは、老人福祉の中心を従来の『ケア』から、『予防・日常生活支援』に移行し、コミュニティ内のボランティアや病院、民間企業、関連協会、住民などに参加を呼び掛けている。システム内に専門のケアマネジャーが配置され、ケアを必要としている高齢者一人ひとりの状況に合わせて支援プランを制定する」。

  平塚橋老人ホームのデイサービスセンターは、自宅で生活したいものの、ケアや世話を少し必要としている高齢者を受け入れている。毎朝、センターが車で高齢者を迎えに行き、いろんな活動に参加してもらっている。そして、昼になると、食堂で食事をしてもらい、夕方にスタッフがまた送っていく。

  日本では介護保険制度が確立されており、原則として40歳以上の国民は全てそれを払うことが義務付けられている。デイサービスセンターのほとんどの費用はその保険で賄われている。しかし、日本政府は、民間企業に委託するなどして、市場のサービスを活用し、効率を向上させたり費用を安く抑えたりするよう励んでいる。厚生省の統計によると、2012年の時点で、日本全国に設置された地域包括支援センター4328ヶ所のうち、7割の運営が民間機構に委託されている。

  「全ての高齢者にできるだけ尊厳のある、自立した生活をしてもらう」、「高齢化問題に、全社会で向き合う」が、日本のシルバー事業の目標だ。老人福祉のクオリティーを向上させるうえで、高齢者と次世代間の交流強化が、非常に重要となる。関連機構の約17万人の高齢者を対象にした調査によると、ボランティアやスポーツ、レクリエーションなどの活動が活発な地域に住む高齢者は、認知症を患ったり、転倒したりする確率が低いことが分かった。平塚橋老人ホームでもボランティアがよくケアに参加している。三徳会が運営する別の老人センターは、中学校と同じ建物の中にあり、高齢者が近隣の中学生らとふれあいやすい環境となっている。

  日本の高齢者ケア補助用品の開発も世界を牽引している。陳氏によると、「日本の老人福祉施設は、細部に至るまで人間味のある造りになっている。トイレや通路などは、広々としていて、車いすでも便利に通行できるようになっている」という。平塚橋老人ホームの職員が見せてくれた食事の配送車の棚は、十数個の仕切りがあり、それぞれがおかずの保温ができる部分と、ヨーグルトなどを冷蔵できる部分に分かれていた。また、ハンギングチェアのような車いすは、体の不自由な高齢者が宿舎から浴室に移動する時などに使われ、介護士の負担を大きく軽減するのに一役買っているという。(編集KN)

  「人民網日本語版」2017年7月24日 

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