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テレビ番組「中国詩詞大会」でデリバリースタッフがチャンピオンに

2018/4/10 8:47:44   source:人民網日本語版

  テレビ番組「中国詩詞大会」の第3シーズン決勝が放送された4日夜、デリバリースタッフの雷海為さんが北京大学文学部修士の彭敏さんから逆転勝利をおさめ、チャンピオンに輝いた。雷海為さんが勝利を勝ち取ることができたのは、一つには彼の詩詞に関する非常に豊富な知識。そしてもう一つは彼の極めて強靭な精神力を挙げることができるだろう。雷海為さん自身も、「私が勝てたのは精神面においてだ」としている。

  雷海為さんが番組の中で見せた落ち着いて、泰然自若とした様子は視聴者に深い印象を与えた。ある視聴者は、「詩詞というものはただひたすら丸暗記すればいいというものではなく、それぞれの経験や心境、喜怒哀楽に根付いたもの。世の中のことを知り尽くして初めて、古代の人々の堂々とした詩の境地を理解できるのだと思う。雷海為さんは本当の意味で詩詞を理解しており、彼の泰然自若とした様子を目にすればするほど、私たちが感じる感動もより大きくなる」と評している。これは番組の製作スタッフが雷海為さんに対して抱いた印象とも通じており、「非常に落ち着いている人。正解であろうと、間違っていようと、また普通におしゃべりしているような時でも非常に落ち着いていて、中国中央テレビというこれほど大きな舞台においても変わらず落ち着いていられること彼をとても意外に感じた」としている。

  最終対決の雷海為さんの対戦相手は北京大学文学部修士の彭敏さんだった。彭敏さんはこれまでにも詩詞大会や成語大会、漢字書き取り大会などに参加し、何度も賞を得てきた強豪。しかしこうした手ごわい相手に対しても雷海為さんは何ら臆する様子も見せなかった。ある問題で、審査委員が屋根と窓を描いただけで、雷海為さんはすかさずボタンを押し、李商隠の「夜雨寄北」という詩であると回答。その答えを聞いた審査委員は訝し気な表情を浮かべ、「どうして屋根と窓を描いただけでこの詩だとわかったのですか?すごすぎる!」と質問すると、雷海為さんは、「窓を西側に書いたので」と回答。その一言に、審査委員は驚嘆したように、「私自身すらそういうディティールがあることを意識したことが無かった!」とうなった。

  雷海為さん(37)は湖南省洞口県の出身で、今は浙江省杭州市でデリバリーサービススタッフとして働いている。彼はこうした境遇にも関わらず、その心は常に輝きを放っている。毎日三食の食事時間は合わせてもわずか30分を満たず、食費もたった25元(約425円)ほど。それでも雷海為さんは「唐詩三百首」を肌身離さず、出前の受け取りを待つ間や信号待ち、休憩時間を利用しては古詩詞を暗記したり、朗読している。雷海為さんは、「こうやって出前を一つ届けるころには詩を一首暗記できるので、とてもうれしい」と語る。雷海為さんは詩を暗記することが好きなだけでなく、詩詞の定型を独学で学び、暇さえあれば書店に行って本を探し、買うのはもったいないので、自分が好きな段落を暗記して、家に帰ってからそれらを書き留めるのだという。

  雷海為さんのこうした詩詞に対する興味は小学校1年生の頃から始まったのだという。幼いころ、彼の父親は古詩詞を書き出しては、台所の壁に貼って、彼に読んでくれたと言い、「あの頃、父親は心ひそかに私に文化と素養を備えた人間になってほしいと思っていたんだと思う」と雷海為さんは語る。

  将来について雷海為さんは、「デリバリーサービスの仕事は体力を使う仕事なので、年齢や体力的にも限界があり、長期的に続けられる仕事ではない。あと1、2年ほどこの仕事を続けたら、故郷に帰って、養殖などの仕事をしたいと考えている。ただ、今はまだ具体的には何も考えていない」とし、人気が出たことについても、「これほど多くの人が私に関心を持ってくれているが、本当は私自身に興味があるのではなく、こうした現象は現在ますます多くの人が伝統文化に興味を持ち始めている証だと思う。そしてこれは非常に良いことだと思う」とした。(編集TG)

  「人民網日本語版」2018年4月9日

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