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映画「万引き家族」、アットホームながら社会問題に一石投ず

2018/8/8 8:41:00   來源:人民網日本語版 2018/8/8 8:41:00

  是枝裕和監督の集大成ともいえる作品であり、第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞、出演者たちの完璧ともいえる演技など、数々の触れ込みで話題の映画「万引き家族」が今月3日に中国で封切られ、業界内や映画ファンらの間で話題をさらっている。4日と5日の週末にはSNSで「万引き家族」がトレンドワードとなり、是枝監督をめぐる投稿を寄せるファンも多い。4人家族と、祖母、それに、引き取られた女の子からなる家族を舞台に展開する物語、そして、是枝監督らしいアットホームな作風で描く日本社会のリアルな問題などが、中国の観衆の心を打っている。同作品の興行収入はすでに4500万元(約7億3000万円)に達しており、実写の日本映画の中国市場における興行収入記録を塗り替える可能性が非常に高い。ただ、そのテーマやスタイルは個性的であるため、大衆受けするのことは難しく、一部の「文芸青年(読書や映画など文芸を好む若者)」らが楽しむ作品となりそうだ。

  日本のリアルな社会問題を描く

  ある女性は、「是枝監督らしい描写手法で、落ち着いた流れで、淡々とストーリーが展開していく中で、少しずつ感情が積み上げられていく。実際の生活の中で同じような体験をしたことがないと、そこで表現されている感情を理解しにくいかもしれない」と評価する。「万引き家族」の会場はひっそりとしたムードで、同作品のスタイルと同じく、時々観衆のため息が聞こえるものの、すぐにまた漆黒の闇と共に静寂が戻るといった感じだ。

  日雇い仕事の父・柴田治とクリーニング店で働く治の妻・信代、息子・祥太、風俗店で働く信代の妹・亜紀、そして家主である祖母・初枝の5人と、血縁関係のない女の子「ゆり」の6人「家族」を中心にストーリーが展開する。この家族には安定した仕事もなければ、豪華な家もなく、おいしい物も食べれず、万引きをしてなんとか食いつないでいる。しかし、そんな生活をずっと続けているうちに、生き延びるための食べ物だけでなく、最も大切なものであるはずの「家族愛」や「愛」までも「盗む」ことになってしまう。一見淡々としたストーリーの中で、一人暮らしの高齢者や高止まりしたままの失業率、性風俗産業の氾濫、家庭内暴力など、日本の多くの社会問題をリアルに描き出している。

  今年5月19日、同作品は第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞。その後、中国でも公開されることが発表された。これはここ数年で初めて中国で大規模上映されるパルムドール受賞作品となっている。

  見る者を感動させる生活感あふれたディティール

  上海映画家協会の副会長である上海戲劇学院の石川教授は、「大音は声希(まれ)で、大象は形無し。パルムドール受賞作品である同作品はまさに名実一体で、是枝監督はドキュメンタリーのような抑え気味で、中立、不介入という表現スタイルを通して、一見幸せに見える家庭の裏側にあるものを、少しずつ明らかにし、家族一人一人が抱えている孤独や心の傷を描き出している」と評価する。

  そして、「前半は、一見すると三世代が同居し、貧しいながらも狭い家で和気あいあいと生活している大家族といったストーリーが展開されるが、祖母の死により事態は急変、表面的な仲の良さがほころびを見せ、大きな心の傷が少しずつ明らかになっていく。司法当局やメディア、福祉機関などが次々と介入し、その中で仮面が次々にはがされていく。このいわゆる『家族』は実際には、なんとか生き延びるために肩を寄せ合うさすらい人、捨て子、万引き犯、犯罪者だったのだ。彼らが法的裁きを受けるとき、観客が涙を流すのは、真相や正義が明らかになったからではなく、仮面をかぶってきた家族がバラバラになってしまうからだ。その時、人の心にある家族に対する感情が一気にこみあげてくる。しかし、司法やメディアなどは、それを淡々と処理し、冷淡さすら感じさせる。是枝監督は、現実を公然と批判していないものの、深い観察力でそれを見事に描き出している」と分析する。

  中国の映画評論家・張宗鉛氏は、「是枝監督は、『歩いても、歩いても』で自分のスタイルを確立した。その後、コンフォートゾーンから抜け出し、『三度目の殺人』を制作。その時点で作風はすでに非常に成熟しており、巨匠の風格が漂っていた。そして、『万引き家族』は、コンフォートゾーン内の作品でありながら、前作時のチャレンジも続け、社会問題を盛り込みながらも、最後まで真相も明確な答えも与えていない。ひたすら考える価値のある問題を投げかけ、観衆が自分でそれを考えるというスタイルを貫いている。是枝監督が近年得意とし、考えてきたものがこの作品に詰まっている。それは、現段階における総括と報告のようだ」と評価する。

  家庭をテーマとした作品を得意とする是枝監督は、その作品の中で数多く描かれている生活感あふれるディティールが特に評価されている点の一つとなっている。「万引き家族」では、各シーンや小道具、セリフ、登場人物の行動などを通して、日本社会における目立たたない暗い部分が描き出されており、それらに含まれている情感もまたひそかに見る者の心を打っている。コミュニティサイト・豆瓣では、「『万引き家族』で表現されているディティールの中で、特に評価できるのはどこ?」という質問に、48件のコメントが寄せられており、各ネットユーザーが、じっくりと見ていなければ気が付かないような、細かな部分を綴っている。またこうしたコメントを閲覧しているネットユーザーは約13万人に達している。そして、豆瓣での評価は8.8ポイントと、現在上映中の他の映画を大きく上回る評価となっている。(編集KN)

  「人民網日本語版」2018年8月7日

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