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アジア不動産市場低迷 複数の市場が急激に冷え込む

2019/1/11 8:45:40   source:チャイナネット

  2018年第4四半期、アジア不動産市場は広範囲にわたり冷え込み、中でも香港の12月の住宅販売は再び低迷し、シンガポールの不動産価格は6四半期ぶりに下落した。また、オーストラリア・シドニーの不動産価格は2017年のピーク時より10%以上下落した。機関は、地域により下落幅は異なるが、借入コストの上昇、政府の監督強化、不動産市場の変動が不動産市場下落の主な要因だとみている。また、各地政府が短期内に不動産市場促進のための政策を打ち出す可能性は極めて低く、アジアの不動産市場が短期内に低迷を脱することは困難だと予想した。

  不動産市場 香港と本土共に下落

  アジア不動産市場の中で、15年近くの上昇を経験し「世界一負担が困難な不動産市場」と言われる香港の住宅価格が低迷した点は市場で注目されている。香港特区政府土地登録処が公表した最新データによると、香港不動産市場は2018年11月に住宅販売が低迷したのに続き、12月も再び暴落し、住宅取引額も減少した。

  市場アナリストは、香港住宅価格の急落は本土経済の鈍化のほか、外部の貿易摩擦のエスカレート、香港政府の資本流出制限措置、デベロッパーの海外投資の難度向上なども下落要因だと見ている。2018年の香港銀行業の全面的な利上げは不動産供給の負担を増やし、住宅価格下落に拍車をかけた。1月6日、香港財政司の陳茂波司長は「不動産価格は下落したが、香港政府は短期内に税収などの規制措置を緩和し不動産市場を刺激する意思はない」とする文章を発表。これを受け、多くの機関が2019年の香港不動産市場には15~20%の下落余地があると予測した。

  香港不動産市場と密接に関わる中国本土不動産市場も理想的な動きとならなかった。中原地産研究センターの最新統計によると、2018年11月の本土新築物件販売面積は前年同期比5.1%減少し、減少幅は前月(3.1%)より拡大した。11月の土地取得面積は前年同期比8.1%増、増加幅は前月(12.2%)より縮小した。

  野村総研の分析チームは、この一連のデータは中国不動産市場の急速な下落を示すと指摘。野村総研の最新研究報告は、中国不動産市場はターニングポイントにさしかかり、一部都市では不動産市場政策の緩和の兆しが見られるものの、中央政府の不動産政策に対する明確な方向転換を反映しておらず、不動産業界調整政策の全面的な緩和を意味していないと示した。政府の不動産市場政策における立場が短期内に大幅に変わる可能性は低いという。さらに、12月21日に終了した中央経済作業会議は、「不動産市場の健全な発展の長期的メカニズムを構築し、家は投機取引するものではなく住むものだという位置づけを堅持する必要がある」と強調した。市場アナリストは、「投機取引しない」という位置づけは揺らいでおらず、短期内に不動産調整を全面的に緩和し不動産市場を再び刺激して需要を安定させる可能性は極めて低いと見ている。

  シンガポール、オーストラリアも下落の波に呑まれる

  シンガポールとオーストラリアも今回の不動産市場低迷から逃れられなかった。世界一コストの高い都市の1つであるシンガポールの不動産価格は2018年第4四半期に6四半期ぶりに下落し、うちゴールデンエリアの住宅価格の下落幅は1.5%に達した。2008年の世界金融危機以降、米FRBの量的緩和策の実施により大量の資金がシンガポール不動産市場に流れた。外資の流入はシンガポール不動産市場の持続的上昇を促し、アジアで住宅価格が2番目に高い都市になった。

  アナリストは、シンガポール住宅価格の下落要因はFRBの利上げによる資金の米国への還流、流動性の逼迫だけでなく、強大な原動力である中国人バイヤーの需要が大幅に低下したためでもあると見ている。ブルームバーグは、シンガポール住宅価格の主な下落要因は政府の政策だと分析。クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのシンガポール研究主管のクリスティーヌ・リー氏は、シンガポール当局が住宅価格の上昇を抑制するために実施した「冷却措置」、および世界の貿易摩擦、株式市場の変動が高級住宅市場にダメージを与えたと同時に、ゴールデンエリアに新築物件がないことも下落要因の1つだと指摘した。

  また、オーストラリアも近頃の不動産市場の下落の波に呑まれた。オーストラリアの住宅価格は過去55年で65倍になり、海外のバイヤーが大量に入り、2017年にはピークに達した。しかし、わずか1年でオーストラリアの住宅価格は中央銀行を驚かせるほど下落した。CoreLogicが公表した最新データによると、2018年にオーストラリアの平均住宅価格は約4.8%下落し、2008年の金融危機以来最大の下落幅となり、オーストラリアの取引額の6割と取引件数の4割を占めるシドニーとメルボルンもそれぞれ8.9%と7%下落した。2017年のピーク時と比べると、それぞれ11.1%と7.2%の下落となる。また、2018年12月の全豪住宅オークション成約率は数週間連続で50%を下回り、取引件数の低迷と市場が軟調であることを示している。

  CoreLogicの研究主幹のティム・ローレス氏は、オーストラリア健全性規制庁(APRA)の信用貸付緊縮措置が今回の不動産市場低迷の主な原因の1つだと見ている。また別のアナリストは、海外のバイヤーの減少、貸出金利の引き上げ、住宅供給量の増加、市場の住宅価格の持続的下落に対する懸念なども住宅価格の下落につながったと分析。

  ブルームバーグによると、オーストラリア中央銀行は、住宅価格暴落による長期的な景気低迷が消費に影響することを懸念している。アナリストは、今回の不動産市場下落の影響は金融危機より深刻になると見ている。また過去のデータを見ると、オーストラリアの住宅価格は大幅下落後に周期ピークに回復するまで数年を要し、下落傾向は一定期間続く可能性が高い。

  「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年1月10日 

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