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大白兎ミルクキャラメルなど老舗が若者に大人気の理由は

2019/6/11 11:36:50   source:人民網日本語版

  特に何の前触れもなく、老舗お菓子の「大白兎ミルクキャラメル」が突如ネットで大人気の商品になった。メーカーの方冠生園(集団)有限公司はこのほど、時流に乗って大白兎ミルクティを打ち出した。上海のショッピングセンターに登場したポップアップ・ストア「大白兎ミルクティ店」では行列の待ち時間がややもすると4-5時間になることもあるという、他の人気ミルクティを大幅にしのぐ勢いだ。「中国青年報」が伝えた。

  老舗の大白兎ミルクキャラメルの人気は、決して偶然ではない。似たようなケースにスニーカーの回力鞋、永久ブランドの自転車といった老舗の復権がある。同じ作り方、変わらない味わいの歴史ある老舗たちは、消費モデルが多種多様化する時代にあっても、どっしりと存在感を放ち、人々に喜びや楽しさ、興味や物珍しさを感じさせる。親世代以来の、さらには祖父母世代以来のブランドに、一体どのような魔力があり、好みのうるさい若い世代の消費パワーを引きつける力があるのだろうか。

  消費者が老舗を好む理由の1つは無論製品の品質が安定していることにある。大白兎は口に入れた時の味わいや食感がいつも同じで、消費者は期待を裏切られることがない。消費スピードが速い世代の消費者は、商品選びにあまり時間をかけたがらないため、影響力と信頼度の高い商品が自然と注目を集めることになる。

  とはいえ、品質の安定だけでは、若い人が老舗ブランドファンの仲間入りしたことを十分に説明できない。老舗を好む若者のほとんどが「情怀」(情感)という言い方をする。「情怀」それ自体にはプラスの意味もマイナスの意味もないが、現代の言語環境では、かつての暮らしに対する懐かしさや名残惜しさを表す場合によく使用される。「情怀」のある人とは、新しいものが好きで古いものをいやがる人ではなく、ある種ざわついた社会の空気の中、人格と品性にプラスの面をもつ人を指す。

  しかしよく考えてみると、90後(1990年代生まれ)や00後(2000年代生まれ)の消費者が生まれ育った時代に、老舗たちは最盛期に別れを告げている。市場経済の発展プロセスとともに成長してきた今30歳以下の若者は、多くの商品がアップデートを繰り返し、新しいこと・ものが古いこと・ものに取って代わる様子が印象深い記憶として残っている。

  年代という点で、大白兎ミルクキャラメルが若者の親世代によりなじみの深い商品であることは間違いない。「一番年長の若者」である90後にしても、計画経済の時代の記憶はなく、家の中にある黄ばんだ昔の糧票(食糧配給切符)はアンティークグッズに映り、物質的に貧しい時代に老舗の商品が暮らしの中でもっていた意義を体感したこともない。

  それではなぜ、若い人は「若くない」ブランドを今の自分たちの「情怀」と結びつけるのだろうか。重要な原因として、彼らの年代はライフスタイルの変化が激しく、リアルな記憶をもちにくいこと、同じ市場ニーズをもち続けるのが難しいことが挙げられる。たとえば90後になじみ深い乾脆麺(そのまま食べるインスタントラーメン)などは、健康な食生活を重視する現代社会にあって、主流の市場で居場所がなくなってしまった。

  その一方で、一部の老舗は品質が安定して、消費者の基本的ニーズを満たせることから、若い人が「情怀」を託す新たなツールに発展した。若者は子どもの頃に老舗商品について特別な思い入れのある消費体験をしたわけではないが、親世代から「伝え聞いて教育された」ことや、映画やテレビに出てくる老舗が印象深かったことから、気持ちや記憶がかき立てられ、老舗に引き寄せられていった。よく言われるように、「情怀」は失った後で生じるのであり、人はもう手に入らないものに最も強い感傷を抱く。

  もう1つの重要な原因は、現代の若い消費者は新しいブランドや西洋のブランドの「魔法が解ける」という体験を繰り返してきたことだ。かつて絶大な勢力を誇った西洋系ファストフードが市場の中で「プチブル」の衣が魅力を失い、庶民化路線を歩んだことはその一端だ。人々は商品がもたらす実際の体験を踏まえて消費を選択するようになり、ブランド名を絶対とするブランド消費信仰はもはや過去のものになった。(編集KS)

  「人民網日本語版」2019年6月10日

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