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「個人破産制度」試行で借りたお金は返さなくてよくなる?

2019/7/19 10:57:30   source:人民網日本語版

  企業は債務超過状態に陥った場合、破産の申し立てを行うことができるが、個人が破産した場合、どうしたら良いのだろうか?国家発展改革委員会は16日、公式サイト上で「市場主体退出制度の完備を加速するための改革方案」を発表し、個人破産制度の確立を検討して条件に見合う個人の債務者が法に基づき合法的に免責となるシステムの構築を段階的に推し進め、最終的に全面的な個人破産制度を確立する方針を明らかにした。経済日報が伝えた。

  〇「個人破産制度」とは?

  一言でいうと、個人破産とは、債務者が返済期限までに債務を返済する能力がない状態を意味する。そして、債権者との和解が成立しない場合は、裁判所に対して自己破産を申請し、法律のプログラムに沿って債務の返済義務が免除される。

  弁護士の劉家川氏は、「個人向け貸付の割合が高まるにつれ、個人が返済できなくなるという状況はどんどん増えている。中国には個人破産制度が存在しないため、借金取りから身を隠すことやヤミ金融からの借金などの行為によって、様々な悪影響がもたらされている。個人破産制度が確立すれば、債権者と債務者の双方が法律的保護を得られるというメリットがある」と説明した。

  〇返済義務の免除は、債権者にとって公平とは言えないのではないのだろうか?

  これについて、劉弁護士は、「破産期間中、清算機関は債務者の財産をめぐる状況を厳しく監視・コントロールするため、自己破産者は最低レベルの生活しか維持できない。もし、現金化が可能な資産が見つかれば、たちまち現金化されて返済に充てられる。破産の申請は、申請者の就職・生活・社交・結婚などさまざまな面でマイナス影響を受けることになる。本当にやむを得ない場合でない限り、個人破産を申請することは、極めて『割りに合わない』ことを認識しておくべきだ」と続けた。

  〇破産者と「借金踏み倒し常習犯」との違いは?

  個人破産制度によって破産者に課される制限は、「老頼(借金を踏み倒す常習犯)」が受ける制限と似通った点がある。両者の違いは、「老頼」が信用失墜による制限を受けた後も、その債務額は一銭も減らないのに対し、個人が破産申請をして制限を受けた後は、一部の債務は返済免除となり、さらには「再生」の道が残されている。

  〇個人破産を申請できるのはどんな人?

  個人破産制度が導入されている国や地域を見てみると、破産申請ができる条件として、「経済状況」が盛り込まれている場合がほとんどだ。たとえば、日本では、「支払い不能」、「支払停止」、「債務超過」の3項目のどれか一つが、破産の原因として認められる。香港では、理由書の提出が求められており、それによって裁判所が、破産申請者の返済能力の有無を判断する。

  しかし、林敏睿弁護士は、「社会誠実信用システム、社会信用制度、破産者名簿など関連する管理措置制度が完備されていないと、個人破産を推し進めることで、個人が故意に悪意をもって債務超過状態に陥り、破産申請によってその債務から逃れる、というケースが発生する恐れがある。したがって、個人破産制度は、それに見合う制度・細則も完備しなければならない。そうすることで初めて、長所を活かし短所を克服することができて、制度の役割や価値が存分に発揮される」と指摘した。

  「人民網日本語版」2019年7月19日

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