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「独身貴族」は幻想?「おひとり様経済」ブームの中で女性の消費を考える

2020/8/7 13:56:05   source:人民網日本語版

  現在、おひとり様が世界的なトレンドになっている。高齢化社会の訪れにより生まれた高齢者の単身世帯のほかは、単身世帯のかなりの部分を若い人が占める。ここ数年、この単身者層に照準を合わせる業者が出てきて、「おひとり様経済」は今や業者が利益を求めて競い合うブルーオーシャンになった。「おひとり様経済」ブームは関連商品の提供、おひとり様社会やおひとり様文化の育成を通じて、自主独立の生き方を求める女性を応援する。しかしおひとり様がビジネスになる時には、女性の独立の主張が消費主義に包まれて従来の紋切り型の性規範の旧套に戻らないよう十分に警戒しなければならない。「中国青年報」が伝えた。

  「おひとり様経済」ブームがやってきた

  おひとり様は一種の社会現象として長らく注目を集めている。

  「おひとり様経済」という言い方はF.T.マッカーシー氏が2001年に英誌「エコノミスト」で発表した文章に初めて登場した。マッカーシー氏は同年に映画「ブリジット・ジョーンズの日記」が世界でブームを巻き起こし、ヒロインのブリジットの生き方が注目を集めたことを受け、そこに現れた新しい経済の形を「ブリジット・ジョーンズ・エコノミー」と名付けた。マッカーシー氏の見方では、シングル女性の多くは広告業、出版業、娯楽業、メディア業の製品・サービスの生産者や消費者だ。独身で高い収入があり、ほかの階層よりも消費への意欲と衝動が強い。スキのないブランドファッション、優雅なヘアスタイル、バッチリ決まったメーク、定期的に体を動かし、余暇時間がたっぷりあるシングル女性は、ファッションの代名詞、かっこいいことの代名詞、新たなトレンドの代名詞になった。

  現在、世界に広く存在するおひとり様のトレンドと女性の解放・発展の道のりは切っても切り離せない。女性の教育水準が向上し、労働参加率が徐々に向上するのにともなって、女性たちは自分自身の発展を追求し、学業や事業での発展と結婚や家庭での生活との間で衝突が起きた時には、結婚を遅らせたり非婚の選択をしたりするようになった。また女性の独立した経済力も「おひとり様経済」のブームの中で独自の消費力と決定力を高める流れを決定づけた。

  「おひとり様経済」の発展は女性を含むすべての単身者層により多くの便利さと可能性をもたらす。おひとり様対応の火鍋レストランの登場で、一人鍋の気まずさが解消された。小型スマート家電が発売されて、おひとり様世帯の暮らしがさらに便利になった。単身者向けマンションには経済性と社交的な属性が備わり、おひとり様が不動産を購入する時の予算不足の悩みを緩和し、単身者向けの特別な設計がおひとり様の「セレブ的」ムードや社交生活への憧れにマッチした。おひとり様が抱える介護や医療保障での脆弱性を見据えて、一連の対応する資産運用商品が登場し、今後、おひとり様の後顧の憂いをなくし、個人化するおひとり様のリスクに対する脆弱性を緩和することが予想される。特に「おひとり様経済」のブームの中、生涯学習、多様な職業選択、技能訓練が注目点になっており、これもまたおひとり様が持続的発展を実現するための保障になると同時に、独立と自主を追い求める女性の歩みを後押しすることになる。

  「消費主義」の落とし穴と「独身貴族」の幻想

  おひとり様ブームの出現にともなって、おひとり様市場に照準を合わせる業者がますます増えている。短期間に「おひとり様経済」や「孤独経済」といった概念が次々登場し、おひとり様は今すぐに開発したいビジネスの宝庫に変わった。これによって、資本の加護の下、おひとり様が業者の力を入れるセールスポイントの1つに堕してしまうのか、おひとり様が提唱する独立した開放的な新しい生活スタイルという本来の意味が失われてしまうのかということを人々は考えざるを得なくなった。

  おひとり様が一つのビジネスに変化する時、女性の独立の主張が消費主義に包まれて従来の紋切り型の性規範の旧套に戻らないよう十分に警戒しなければならない。誰の目にも明らかなことは、現在の「おひとり様経済」の消費をめぐる主張の中には、女性の「美しさ」に対する要求が相も変わらず混在していることだ。「おひとり様経済」の下、女性はこれまで以上に「自分を愛さなければならない」と教えられ、「自分を愛する」ことの重要な指標は「自分のためにはお金を惜しまない——自分に投資する」ことだ。このロジックを踏まえて、女性の「美しさ」の追求は強まることはあっても、弱まることはない。流れに乗って次々に登場するさまざまな売り文句の「女王」向け製品、「女神」向け製品を見ていると、目がくらくらしてくる。国金証券が発表した「おひとり様経済専門テーマ報告」でも、「自分を喜ばせるための消費」が「おひとり様経済」の4大消費分野の1つとなっており、調査データから、シングル青年の平均可処分所得のうち化粧品が5-10%を占め、女性がコア消費層であることがわかる。

  「おひとり様経済」の提唱の中では、経済力と消費力があることと女性の自主的な地位とが、単純に、いささか乱暴にイコールで結ばれている。「おひとり様経済」ブームの下、女性の独立とは女性のすべてのニーズが大量消費によって満たされること、となっている。資本はその強大な力によって、おひとり様と暮らしの美学、暮らしの風格、暮らしの趣を結びつけ、おひとり様を「独身貴族」に仕立て上げ、おひとり様を美化すると同時に、果てしのない消費の幻想を次から次へと作り出し、自己意識から生まれたおひとり様への願望を、資本の巨大ビルに到達するための渡り石に変えようとしている。資本が作り出した「独身貴族」の桃源郷の中、シングル青年が理想的な「洗練された」暮らしをするために、支出が収入に追いつかなくなり、「隠れた貧困」に陥るというケースがままみられる。

  おひとり様消費のカーニバルの中で、私たちはこのことを冷静に見据え警戒する必要がある。

  「人民網日本語版」2020年8月6日

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