大みそかの夜に家族全員が集まって年越し料理を食べるのは中国人の春節（旧正月、今年は1月22日）の伝統であり、国土の広い中国では各地の年越し料理もそれぞれの特色を持っています。中国天気ネットはこのほど、全国の年越し料理地図を発表し、各地域の特色ある年越し料理を10種類にまとめました。

△中国の「年越し料理地図」

　　中国北方では、肉類や小麦粉で作った主食が欠かせません。北京では北京ダックや中華風牛肉の醤油煮込みなどが好まれます。山東省、河南省、山西省などでは、主役のギョーザ以外に、小麦粉を練って作ったさまざまな「花饃」もめでたい意味が込められていて、春節に欠かせない食べ物となっています。

　　一方、厳寒の東北地方では、熱々の煮物が年越し料理の大きな特色です。西北部や内蒙古、チベットなどでは、羊肉と牛肉が不動の地位を確立しています。蒙古族はシンプルな調理法で食材の味を生かす食べ方を好みます。チベットでは、地元の人々は通常チベット暦の新年を過ごしますが、陰干しした牛肉・羊肉、バター茶、ハダカムギ酒などが必ず用意されます。

　　中国南方では、あっさり系の淮揚派だけでなく、激辛派、うま味を重視する福建・広東派など、各地で年越し料理の味が異なります。また、ソーセージやベーコンなどの燻製肉も南方の年越し料理やおせち料理の目玉となっています。

　　海南島では、魚は「豊かな生活」を意味する縁起物として、大みそかの食卓に欠かせない1品であるだけでなく、よく贈り物として親戚や友人の間で贈られます。また、トロピカルな風情のあるさっぱりした味のココナッツチキンも、地元の年越し料理の特色になっています。