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知られざる北京の魅力 京劇の躍動―北京の「リズム」

2017/8/18 9:55:35   source:中国国際放送局

  北京、中国の首都であるこの都市は、中国の政治、文化、国際交流および科学技術イノベーションの中心地であり、3000年を超える都市建設の歴史と、860年を超える首府としての歴史を持つ魅力的な古都だ。「繁栄」と「現代化」、「国際化」は北京を示すキーワードであるが、それだけではない。「平穏」と「着実」、そして内に秘めた深い「教養」もまた北京の代名詞であり、その開放性と包容性を併せ持つ独特な魅力で、世界各地から観光客を引き寄せている。

  京劇の躍動―北京の「リズム」

  「3つのことを経験しなければ、北京に来たとは言えない」と人々は言う。それは、万里の長城に登ること、北京ダックを食べること、そして京劇を鑑賞することだ。京劇は中国5大戯曲・演劇の一つで、中国の国粋であり、人類無形文化遺産代表作目録にも選ばれた。総合的な演劇芸術として、「唱(歌)・念(台詞)・做(仕草)・打(立ち回り)・舞(踊り)」を融合し、規範化した表現方式と手段で物語を語り、人物を描写している。京劇のメイクもまた、役者と共に舞台に立つ生きた芸術とされている。役柄の性格やタイプによって、決められた色で描かれる、民族的な特色のあるメイク技法だ。200年以上の発展の歴史を経た京劇は、今や中国の伝統芸術と文化を宣伝する重要な媒体となった。

  じっくりと京劇の魅力を味わいたければ、まず足を運ぶべきなのが北京梨園劇場だ。梨園劇場は北京初の茶売り式劇場で、北京市西城区(に含まれる元宣武区地域)虎坊橋前門飯店内にあり、同ホテルと北京京劇院が1990年10月に共同で設立したものだ。ここは中国で初めて、そして唯一、日常的に京劇を上演する、1000人規模の劇場だ。舞台エリアと展示エリア、記念品エリアの3区画からなり、展示エリアには京劇芸術の200年以上の発展史や様々なお面が展示されている。また、舞台エリアの古色蒼然とした装飾は、眺めるだけでも楽しいだろう。記念品エリアでは京劇に関する工芸品や記念品などを購入できるほか、京劇衣装を身につけ、メイクをして記念撮影することもできる。客席の壁には巨大な京劇面が高く吊るされ、後部には14の名キャラクターが描かれた屏風絵が飾られている。前方の客席には明式の八仙卓と背もたれできる椅子が置かれ、古風さと優美さに満ちた装飾が京劇の雰囲気を一層、濃厚にしている。後方席と二階席には椅子が並べられており、上演中にはお茶とお菓子、果物などのサービスもある。これは舞台が野外で行われていた頃からの伝統で、観客は京劇を鑑賞しながら、北京の伝統的なお菓子と名茶を味わうことができる。

  梨園劇場では20年間に渡って数多くの公演が上演され、100万を超える観客がここに足を運んできた。その中には日本の海部俊樹元首相、韓国の金大中元大統領、エストニアのレナルト・メリ元大統領など、国家の首脳や著名人士も多く含まれている。

  知られざる北京の魅力 おわりに

  これまで、「川のせせらぎ―北京の『柔和』」「歴史語る寺院―北京の『禅』」そして今回の「京劇の躍動―北京の『リズム』」と3回に渡って北京の知られざる魅力を紹介してきた。

  北京は現代的でありながら、古都としての魅力をも有する、人気と期待を集める都市だ。

  「千人の心の中には千人のハムレットがいる」という言葉があるが、北京もまた、観光客それぞれがユニークな魅力を見つけ出すことができる、そんなポテンシャルを持った都市だ。そしてその魅力は今も、まるで更新され続ける一冊の本のように深まり続けている。

  北京を訪れた際はぜひ、ガイドブックのトップに掲載されている観光地と共に、今回紹介したような北京の深みも楽しんで頂きたい。その度はきっと、あなたの「心の中の北京」になるだろう。

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